ディズニー映画といったら「白雪姫」や「アラジン」、「美女と野獣」に「マレフィセント」など数々の名作があります。
しかしハロウィン(あるいはクリスマス!)のディズニー映画といったら「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」に並ぶ作品はないでしょう。
さまざまな肩書を持つ名監督ティム・バートン、その代表作でもある「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」はその独特な世界観と物語から公開して以来、世界中のひとたちを魅了しています。
(ディズニーストアで商品が発売されているぐらいで、今年2021年は在宅勤務を助けてくれるようなアイテムが販売されるようですよ!)
「大人のための絵本」と称賛されているアメリカの絵本作家エドワード・ゴドーリーのような不気味なタッチでありながらも、ファンタジックな世界とコミカルな登場人たちが何をするのかといったら……そう、生まれて初めてのクリスマスです!
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のあらすじ
作品タイトル | ナイトメアー・ビフォア・クリスマス |
放映時期 | 1993年(アメリカ) 1994年(日本) |
主な出演者(声) | クリス・サランドン キャサリン・オハラ ウィリアム・ヒッキー グレン・シャディックス ケン・ペイン エド・アイヴォリー |
――ちょっぴり不気味なクリスマスを過ごすのもいいかも?
あるところに1年に一度の季節イベントを人間界へ送る町があった。
そのうちの1つ、ハロウィンを送り出す死者とお化けの町「ハロウィン・タウン」は無事にハロウィンを終え、盛り上がっているところだ。
怖いことや驚かすことが大好きな「ハロウィン・タウン」の住民たちは楽しんでいたが、「ハロウィン・タウン」の王様(パンプキン・キング)ことジャック・スケリントンは虚しさを募らせていた。
実は「ハロウィン・タウン」で繰り返されるハロウィンは毎年毎年、同じものでしかなかったのだ。
主役である以上、ハロウィンに参加せざるを得ないものの、単調なハロウィンはジャックの心を苛んでいた。
もう、うんざりだ。どこか別な世界に行きたい。
顔をうつむかせてトボトボと歩き始めたジャックはいつしか「ハロウィン・タウン」から離れ、森の奥に進んでいく。
すると不思議な扉がついた木々を発見するジャック。
そのなかで一番、心惹かれた扉を開けてみると、扉の奥から吹いてきた不思議な風につれられてしまい、陽気に包まれた雪の町「クリスマス・タウン」に落ちてしまう。
とたん、ジャックの憂愁は吹っ飛んだ。
白い雪もカラフルな電飾も、「クリスマス・タウン」のあらゆるものが見たこともない!すごい!欲しい!
あっという間に「クリスマス」に魅了されたジャックは「クリスマス・タウン」を探索し、ある計画を立てていく……。
一方その頃、「ハロウィン・タウン」の住民たちは騒然としていた。
何しろ自分たちの王様、ジャックが行方不明になったのだ。さっそく来年のハロウィンの計画を立てなくてはならないのに、ジャックがいなければそれもままならない。
どうすればいいのかアタフタする「ハロウィン・タウン」の住民たちだったが、今度は「クリスマス・タウン」から帰ってきたジャックによって今度は首をかしげることに。
「クリスマスをしよう!」。
「クリスマスってなに?」と疑問を投げかける住民たちにジャックは意気揚々と答えていくが、実は思い込みで判断していたため、ジャックの中の「クリスマス」は「ハロウィン・タウン」風の「クリスマス」にすり替わっていた。
そんなジャックに優しい継ぎ接ぎ人形の娘サリーはジャックの立てたクリスマス計画に不安を覚え、暴走気味なジャックを心配する。
そんななか、「ハロウィン・タウン」の悪ガキ3人組ロック・ショック・バレルは自分たちの親分にして町の嫌われ者ウギーブギーにクリスマス計画を喋ったところ、ブギーはサンディ・クローズ(サンタクロース)に興味を覚えてーー。
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」見どころ
映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の見どころは
- 滑らかに動くストップモーション・アニメーション
- 聞きごたえのあるミュージカル
- 「同じものはない」と言える物語や登場人物
です。
滑らかに動くストップモーション・アニメーション
当時最新鋭のデジタル技術も用いられているものの、映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」はストップモーション・アニメーションの手法によって撮影されています。
ストップモーション・アニメーションとは静止している物体を1コマごとに少しずつ動かし、コマを繋げることで生きているように動いてみせる撮影法です。
いわゆるクレイアニメや人形アニメに使われている撮影法ですが、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の手法はアメリカの特撮映画に大きな影響をもたらしたハリー・ハウゼンのノウハウを受け継いでいます。
そのため一貫して人形たちを動かしているにも関わらず、ただでさえ時間がかかるストップモーション・アニメーションでありながらも丁寧に撮影されているおかげで登場人物たちの動きが滑らかなのです。
おかげで登場人物たちの感情や表情が繊細に表現されています。
聞きごたえのあるミュージカル
ディズニー作品といえば登場人物たちの感情や心情を語るミュージカルが度々入りますが、映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」も例外ではありません。
「ジャックの嘆き」や「これがハロウィン」、「クリスマスって何だ」などなど。
そのどれもが聞きごたえがありますが、一通り聞いた後で英語版と日本語版で聞き比べるとイントネーションの違いが分かって楽しいです。
特に「ウギーブギーのうた」は英語版であればけっこうハスキーですが、日本語版では高らかに歌い上げている印象があります。
その違いがとても楽しいので、「ミュージカルなんて……」と思っている方も是非聞いてください!
「同じものはない」と言える物語や登場人物
映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の最大の見どころといったら、やはりティム・バートン節が炸裂している世界観でしょう。
パッと見るとホラーなのに何だか怖くない、けれどファンタジーというには物悲しかったり残酷だったりする……そんなティム・バートンの世界観は映画「シザーハンズ」や「スリーピーホロウ」でもありありと展開されています。
けれどもそれらの独特さは被ることはなく、唯一無二です。
映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」も同様で、物語にしても登場人物たちにしても不気味なのにコミカルな作品は他にありません。
これだけでも見る価値ありです!
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の感想
実のところ映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」は苦手な作品でした。
というのも、サリーのことを気にも止めないジャックが彼女に意地悪しているようで好きではなかったのです。
(クリスマスを知って暴走気味だったので、仕方がないと言えば仕方がないのですが……。)
けれども作中の歌は大好きだったため、度々見ていましたが、やはり苦手意識は消えません……が、その苦手意識は別なものに変わるようになりました。
結局クリスマスが失敗してしまったものの、落ち込むことなく、自分の非を認めて次のステップに移るジャックが羨ましくなったのです。
こんなこと言うのはおかしいかもしれませんが、これだけ心の痛いところを突かれるのに嫌いになれない作品は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」だけかもしれません。
素直に「大好き」とは言えませんが、「色んなものを教えてくれてありがとう」とは言える映画ですね。
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