「今度の月9はなんだろう。誰が出るんだろう?」という会話を家庭内や職場でするようになったのは、いつ頃からだったでしょうか。
このドラマが始まる前もやはり同じような会話になり、番組の予告記事を見た時「これは面白そう!」と楽しみにしていたことを思い出します。
「このドラマを一言でいうと」
薔薇をおかない花屋(フラワーショップ雫)で働く汐見 英治(香取慎吾)と英治が育てた一人娘である雫(八木優希)を中心にさまざまな人々が登場し、恋愛・社会問題・人間の怒り、優しさ等々で物語が展開して回が進んでいきます。愛憎入り乱れる社会サスペンスドラマです。
「薔薇のない花屋」 のあらすじ
作品タイトル | 薔薇のない花屋 |
放映時期 | 2008年 |
主な出演者 | 香取慎吾 八木優希 竹内結子 松田翔太 三浦友和 釈由美子 池内淳子 |
「薔薇をおかない花屋に集まる人たち」
薔薇をおかない親子の様子とともに、親子に関わってくる主な人物が、ちょっとしたエピソードとともに登場します。
まず主要人物の一人、盲目の美女である白戸美桜(竹内結子)が、雨の降る日に花屋の軒先に現れ、英治と出会います。
近頃、雫はなぜか頭巾をかぶって生活し始めました。また、学校でも頭巾を被るようになった雫の動向によるトラブルが起こり、心配した教師の小野優貴(釈由美子)から英治に連絡が入りました。
そして英治が花屋を経営するにあたり花の相談に乗ってもらっていた恩人、菱田桂子(池内淳子)が登場します。
青年の工藤直哉(松田翔太)は、アルバイト先のホストクラブでトラブルを起こしますが、ほっておけない英治の性格もあり助けられ英治の家に同居するようになります。
花屋では英治と美桜そして工藤と時には菱田の一風変わった共同生活が始まるのでした。
英治の人柄を信じ、花屋の保証人になった四条健吾は、花屋の向かいにある喫茶店のマスターです。
そんな中、花屋とは別の場所(大病院)では医院長安西輝夫(三浦友和)が、怒りのエネルギーを身にまとって登場するのでした。
「それぞれの物語が動き始める」
菱田は、自身の子供たちの都合で、老人ホームに入るように説得されますが入所日に姿をくらまし、結局英治たちと一緒に花屋で暮らすことになりました。
また雫と同級生の省吾がスーパーで万引きする現場に出くわした英治は省吾を助ます。担任の小野優貴を交え3人で話をするうち、省吾が親のネグレクトを受けていることが分ります。省吾は、親のもとから英治たちに助けられ施設に入ります。
一方で大病院の医院長、安西は英治に対する憎悪で復讐に燃えていました。理由は、英治が雫を身ごもった母親(本仮屋ユイカ)を見殺しにしたと思っているからです。その復讐を達成するために、病院の看護師である美桜を盲目と偽り英治のもとへ送ったのです。
美桜が安西の手下になった理由は、父親が脳の病気で安西の病院に入院していて手術が必要なためでした。
しかし美桜は、英治に対して嘘をついていることに苦しみ葛藤します。
英治は、美桜の目の手術に大金が要るという嘘を信じ、娘の雫と相談した結果、花屋の権利を第三者に売り渡してしまうのでした。
ドラマにアクセントを持たせたり、キーとなるのが、雫の母親の生前のビデオでした。このビデオはドラマのストーリー展開に重要な意味を持ってくるのです。
「薔薇のない花屋」の見どころ
「それぞれの関係はどう変化するのか」
英治の優しさと愛情の深さ、また美桜のミステリアスな美しさは、全編をとおして印象深く訴えてくるものがあります。英治と美桜は互いに惹かれあいお互いを必要な人と信じるようになります。
美桜の嘘で始まった2人の関係はどうなるのでしょうか。はたして上手くいくでしょうか。
英治と雫の親子の関係が外因によって、どのように変化するのかもみどころです。
「主題歌が良い」
主題歌は、山下達郎の「ずっと一緒さ」で、このドラマの主題歌として制作されました。
歌詞とメロディーがドラマにマッチしていて、とても心に響く良い曲です。
「様々な問題の中を生きる」
英治と雫、美桜そして工藤と菱田の関係は、ドラマを観るものに暖かさや不安、時に笑いを届けてくれました。
また、この作品では英治と美桜の恋愛関係だけでなく様々な社会問題も浮き彫りにされます。老人問題、親からのネグレクトによる子供達の不幸、格差社会、医療問題などがドラマのなかで自然な形で表現されていました。
しかし、一番の見どころは英治を通して表現される人を信じること、愛情をもって人と接することの大切さかもしれません。
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