あなたはボードゲームが好きですか?
いちおうボードゲームを知らない方のために説明すると、ボードゲームとはテーブルといった卓上で専用のカードや駒、ボードを使って遊ぶゲームを指しています。
双六やチェス、将棋もボードゲームに分類されていますね。
いわゆるアナログゲームですが、アナログといって侮ることなかれ!
その奥深いゲーム性は大人も夢中になるほどで、6歳児やゲーム初心者も手軽に遊べるゲームもあったりなど多種多様です。
近年ではコミュニケーションのツールとしても見直されているボードゲームですが、「もしも今遊んでいるボードゲームで出されるお題やポイントが現実に反映されたら……」と想像を巡らせたことはありませんか?
「ゲームの世界が体感できたり実体化したりする」なんて今時よくある題材ですが、90年代にそんな想像を実写化してみせた映画こそが「ジュマンジ」です。
「ジュマンジ」のあらすじ
作品タイトル | ジュマンジ |
放映時期 | 1995年(アメリカ・カナダ) 1996年(日本) |
主な出演者 | ロビン・ウィリアムズ ボニー・ハント キルスティン・ダンスト ブラッドリー・ピアーズ ジョナサン・ハイド |
――そこのあなた、「魔法」のような不思議なゲームはいかがですか?
1896年。
雨が降りしきる深夜だというにも関わらず、2人の少年が森で深い穴を掘っていた。
十分な深さにまで掘った穴に持ってきたらしい木箱を埋めると、少年たちは「もうその場にいたくない」と言わんばかりに身をひるがえす。
それから100年後、1969年。
少年たちが穴を掘った森はすっかり開拓され、どこにでもある町に変わっていた。
その町に暮らす少年アラン・パリッシュは名士の子供で、父サミュエルは成功した祖父に負けず劣らずの手腕を発揮して大々的な製靴工場を経営している。
しかしアランは気弱な性格をしており、そのせいでいじめっ子たちにいじめられていた。
父サミュエルに甘えようとしても「男なら戦いなさい」とたしなめられたりするため、どうしても反発してしまう。
その日もまたいじめっ子のビリーに自転車を奪われ、殴られたアランは家に帰る途中で父サミュエルの工場で行われている工事現場から太鼓のような音が聞こえてくることに気づく。
気になって太鼓のような音を辿ると、音は工事で掘られた地面から聞こえてくる。
アランがその地面を掘り返すと100年前、少年たちが埋めた木箱があらわれた。
家に持ち帰って箱を開ければ、そこには入っていたのは「ジュマンジ」というボードゲーム。
どうやら双六式のゲームで、ダイスを振るって駒をゴールまで進めていくようである。
その夜、アランの自転車を奪い返してくれたサラがアランの家にやってきたことでアランは「ジュマンジで遊ばないか」とサラを誘う。
サラは「ボードゲームは卒業した」と突き放すが、その時転がしたダイスの目に従って駒が勝手に動き出すのを目にする。
おまけにボードの中央に謎めいた文章が浮かび上がり、その文章通りに不可解な現象が起こったのでサラが気味悪がる。
アランもまた薄気味悪さを覚えて「ジュマンジ」を仕舞おうとするが、振り子時計の音に驚いた拍子でダイスを振ってしまう。
再び動く駒に浮かび上がる文章。
「5か8が出るまでジャングル」、するとアランの体は魔法のように「ジュマンジ」のボードに吸い込まれてしまった!
驚いてその場から逃げ出すサラ……それから更に26年後、1995年。
アランの失踪をきっかけに衰退してしまったパリッシュ家はその邸宅すら空き家となっていたが、この度、新しい住民が入居することになった。
スキー事故で両親を亡くした姉ジュディ・シェパードと弟ピーター・シェパード、その姉弟を引き取った叔母の3人だ。
不幸な境遇に陥った姉弟だが、実はこの姉弟はかなりのひねくれもの。
ジュディは虚言で大人をからっており、ピーターは大人たちから事故のショックで声を失ったと思われているが、単に信頼できる相手にしか喋らないのである。
とはいえ姉弟の仲は良く、いつも一緒に行動している。
そんな姉弟は引っ越しの初日、納屋で「ジュマンジ」を発見。ついダイスを振るったところ、巨大な蚊やら凶暴な猿の大群やらが召喚されてしまう。
「一度始まれば終わらない。ジュマンジと唱えるまでは」。
「ジュマンジ」の横に書かれていた注意書きを信じ、「止めよう」とせがむピーターを説き伏せてゲームを進めるジュディ。
ゾロ目を出したことで再度ダイスを振るうピーター、出した目は5。
直後ライオンがあらわれて姉弟たちを追いかけるのだが、そのピンチを葉っぱで身につけた大人に助けられる。
彼はピーターを「恩人」と呼び、「パパ、ママどこ?」と声を張り上げた。
彼こそが26年間、「ジュマンジ」のジャングルに閉じ込められていたアラン本人だったのだーー。
「ジュマンジ」見どころ
映画「ジュマンジ」の見どころは
- 「ジュマンジ」がもたらす現象
- ふんだんに用いられた最新の技術(90年代当時)
- 乗り越えるべき「壁」
だと思います。
「ジュマンジ」がもたらす現象
前述したように「ジュマンジ」は謎のボードゲーム「ジュマンジ」を進行していくのがストーリーの要になっていますが、駒を進めるたびにボードの中央には謎々めいた文章が浮かび上がります。
文章はかなり抽象的で、読み上げても、すぐには理解できません。
ですが直後、町には絶対にいない巨大な蚊や凶暴な猿たちなどジャングルに住んでいるような動植物がプレイヤーである登場人物たちの前にあらわれて襲いかかります。
動植物は別にプレイヤーを襲いたくて襲っているわけではないようですが、それでも被害は甚大で、町で大暴れ。
はてにはモンスーンといった現象まで起こる始末です。
プレイヤーにとっては堪ったものではありませんが、見ているこちら側は「一体次はどのようなお題が出されて、アランたちはどのように対処するのか」とヤキモキしながらもどこかワクワクしながら見守ってしまいます。
ふんだんに用いられた最新の技術(90年代当時)
その「ジュマンジ」が召喚した動植物や現象は90年代当時、最新の技術だった3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)をはじめ、CGやミニチュア、アニマトロニクスというロボットを使った撮影法で描かれているのが見どころの1つです。
象やシマウマたちが群れになって町を横断したり、猿が車を運転している光景は生き生きとしていて思わず唖然としてしまいます。
そして個人的な見どころとして挙げたいのが主人公・アランが乗り越えるべき「壁」、ハンター・ヴァンの存在です。
乗り越えるべき「壁」
ヴァン・ペニド、通称ヴァンは19世紀後半のハンター装束を身にまとった年老いた男性です。
その性格は冷酷かつ悪党で、話が通じるような相手ではありません。
どういうわけか「ジュマンジ」のジャングルで26年間、アランを狙っており、現実に召喚された際は即座にアランを狙撃しました。
アランを殺すためならばサラやジュディ、ピーターを人質にしますが、肝心の射撃はパッとしません。
そんなヴァンを演じているのは、アランの父サミュエルもつとめているジョナサン・ハイドさんです。
ジョナサン・ハイドさんの代表作といったら1999年の映画「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」や1997年の映画「タイタニック」、2016年に放送したNHKスペシャルドラマ「東京裁判」などが挙げられます。
その演技力は素晴らしく、「ジュマンジ」では父親として接するサミュエルと執拗に狙うヴァンをそれぞれ見事に熱演しており、同じ俳優さんが演じているとは思えませんでした!
さて、主人公アランにとって父サミュエルとハンター・ヴァンは特別な存在です。
愛情と殺意。持っている感情は別々ですが、2人ともアランに対して「逃げるな、戦え」と叱責します。
そんな叱責にアランは反発したり逃げたりなど基本的には向き合いませんが、最後には乗り越えるべき「壁」と向き合うことを選択します。
それはアランが成長したからこそですが、その成長は「壁」があったからこそだと思えてなりません。
ちなみに子供のまま大人になってしまったアランを演じたロビン・ウィリアムズさんの演技もすごいので必見です。
「ジュマンジ」の感想
「あー!楽しかったー!」、見終わったあとでそう言える映画です。
元々は絵本が原作なので、子供向けであるのは当然だと思います。
しかし大人が見ても楽しめますし、何よりしみじみと感じてしまうところもあるのがおススメするポイントです。
父サミュエルとアランの関係も感じ入ってしまいますが、そのアランがピーターに父と同じようなことを言ってしまって謝罪するシーンには「大人になると子供の心を忘れちゃうよなぁ」とウンウンと頷いてしまいました。
子供向けではあるものの、容赦はないのもポイントでしょう。
ゲームを中断してからの26年間に起こった出来事は簡単に描かれますが、どれもこれもしんどいです。
だからこそアランたちが迎えたハッピーエンドは心から歓迎できました。
「まさか!」と思えるような展開でしたが、不思議な「ジュマンジ」であれば納得できる結末です。
もしもこれを読んでいるあなたが「ジュマンジ」を見ていないのなら、「時間」を損していますよ?
もし興味が湧いたなら是非、見てください!
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