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【セブン】秋雨の夜に見たい!7つの大罪になぞらえたミステリー

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世の中には「イヤミス」と呼ばれる小説があります。

読んで字のごとく、読了後「嫌な気分」にさせるミステリー小説です。

ミステリーといったら陰鬱な事件を思い浮かべますが、その事件が起こるまでのドロドロした経緯や人間関係、心理描写などに焦点を当てている作品は少なくありません。

「イヤミス」はそんな人間の闇を精密に描いており、日本国内であれば湊かなえさんの「告白」や真理幸子さんの「殺人鬼フジコの衝動」が代表格です。

好きではない人には信じられないかもしれませんが、どちらの作品も実写化しているほどに人気を博しています。

(いちおう忠告すると、読むのも見るのも「告白」のみに留めておくことをお勧めします……!)

バッドエンドなんて誰もが嫌うはずなのに、まるで中毒のように「もっと」と求めてしまうーー「4週連続で全米興行成績1位」という記録を映画史に残した映画「セブン」もまた仄暗い魅惑を放つ作品です。

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目次

「セブン」のあらすじ

作品タイトルセブン
放映時期1995年(アメリカ)
1996年(日本)
主な出演者ブラット・ピット(ミルズ刑事)
モーガン・フリーマン(サマセット刑事)
グウィネス・パルトロー(ミルズの妻)
ケヴィン・スペイシー(ジョン・ドゥ)

――こうして「7つの大罪」は成った。

アメリカにある、どこかの大都市。

雨が降り注ぐ月曜日、殺人事件の知らせを受けた2人の刑事が現場に到着した。

1人はデビット・ミルズ刑事、「この都市で一旗立ててやる」と意気込む新米刑事だ。

もう1人はウィリアム・サマセット刑事、1週間後に定年退職をひかえた老刑事である。

サマセットの都合上、コンビを組んだ2人は1週間後には解散してしまう。

それを承知のうえでミルズにとっては最初の、サマセットにとっては最後の事件に取り組もうとする……が、そこで待ちかまえていた光景は実に奇妙なものだった。

スパゲッティに顔をうずめ、そのまま死んでいる太った男。

「肥満体」といって申し分のない死体の手足は縛られており、さらにテーブルの下には赤色の汚物でいっぱいになったバケツが置かれていた。

検死結果によれば、男の死因は食べ物の大量摂取と内臓破裂。

男の体内はスパゲッティであふれていたのだが、どうやら何者かに拘束されたうえに銃で脅迫されて食事を続けていたようだった。

しかし男は途中で気絶。

その状態で腹部を殴打され、内臓破裂を起こしたという結論が下された。

長年の経験からサマセット刑事は「犯人は計画を立てて殺害した」と判断。

「自分たちでは手に負えない」と署長に訴えるも、サマセットのみに肥満男の事件を任せるかたちになってしまった。

そして火曜日。

肥満男の事件から外されたミルズはさっそく、新しい殺人事件を担当することに。

現場は高級なオフィスビルの一室。

被害者はその部屋の所有者であるグルード弁護士で、死体は血まみれだった。

見れば、腹の部分が切り取られており、その肉は現場にあった天秤に乗せられているではないか。

重さはちょうど1ポンド(450g)。

どうやら肥満男と同じく、グルード弁護士は犯人に銃で脅されて自身の体の部位から肉を切り取ることを強要されたらしい。

まるでシェイクスピアの「ヴェニスの商人」の一場面(「ヴェニスの商人」では強欲な金貸しが金を借りに来た商人に「もしも期限内に返済できなかったら、お前の肉1ポンドをかわりに貰う」という条件を突き出すシーンがある)を再現した現場、その床には「GREED(強欲)」という血文字が描かれている。

グルード弁護士は知る人ぞ知る、「強欲」な弁護士だったーー。

一方その頃、肥満男の殺人事件に関する報告書を作成していたサマセットは「被害者の胃からプラスチック片が発見された」と知らされる。

その知らせを受け取ったサマセットは現場に戻り、プラスチック片を頼りに冷蔵庫を動かしてみた。

すると冷蔵庫の裏に隠れていた壁に犯人がわざと残したメモが。

メモは至ってシンプルだ。「GLUTTONY(暴食)」という文字、そしてミルトンの「失楽園」に書かれている一節だった。

読書を好んでいるおかげで物知りなサマセットは確信する。

犯人は7つの大罪になぞらえて犯行を重ねている」、とーー。

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「セブン」の見どころ

映画「セブン」の見どころは

  • 「銀残し」を使った映像と丁寧な演出
  • 返し刃となったサイド・ストーリー
  • 無力感に突き落とすラスト

が挙げられます。

「銀残し」を使った映像と丁寧な演出

「銀残し」とはフィルムなどに用いられる現像法の1つで、本来であれば現像する過程で取り除くべき銀をわざと残す手法です。

これのおかげで「セブン」の映像はコントラストがはっきりとしており、「セブン」特有の陰鬱な雰囲気をつくり出しています。

しかし「セブン」は映像だけでなく、演出も素晴らしい作品です。

ミルズとサマセットが7つの大罪になぞらえた連続猟奇殺人事件を捜査している間、ずっと降り続く雨。

捜査から解放されたひと時の図書館やダイナーの音や光。

殺害現場や町を包み込むように付きまとう暗がりや影。

サマセットは作中でたびたび「こんな町、もう嫌だ」という言動をとっていますが、その言動を裏付けるようなダークな雰囲気や物語のメインである殺人事件の存在感を雨や影などのささやかな演出を通して強調されているのが、「セブン」の見どころです。

返し刃となったサイド・ストーリー

小説の「起承転結」よろしく、映画のシナリオにもちゃんとした構成やタイプが色々とあります。

そのなかでも「お約束」と言えるのが「サイド・ストーリー」です。

例えば2時間サスペンスドラマにて、探偵役の主人公が事件のトリックを見破れずに頭を抱えるシーンがありますよね?

そんな主人公はその時居合わせた家族や同僚の何気ない一言を取っ掛かりに、事件のトリックを解決して犯人が分かるといった流れになります。

けれどその流れになる前に、作中では主人公が行動するメイン・ストーリーの合間に他の登場人物にスポットライトを少しだけ当てていることにお気づきでしょうか?

これが「サイド・ストーリー」です。

「サイド・ストーリー」はメイン・ストーリーの小休止でありつつ、主人公がどうにもならないほど落ち込んでしまった時に彼ら彼女らの助けとなる役割を持っています。

映画「セブン」における「サイド・ストーリー」はミルズの妻トレイシーです。

彼女とともに過ごした食事をきっかけに、ミルズとサマセットの微妙な関係はほぐれていきますが、サマセットは食事会をした次の日にトレイシーから呼び出されます。

そこでトレイシーが抱える秘密を打ち明けられて相談し、サマセットは自分の体験をもとにアドバイスをしました。

ここでの出来事はトレイシーやサマセットに小さな光をもたらします……が、この光がクライマックスでサマセットとミルズに返し刃となって襲いかかります。

そして返し刃となったサイド・ストーリーはそのまま、視聴者すらも無力感に満ちたラストへ突き落としていくのです。

無力感に突き落とすラスト

映画「セブン」の結末こそ、「セブン」を名作とたらしめている要因といっても過言ではありません。

その結末の詳細は伏せさせてもらいますが、「まさか!」から「どうして……」と途方に暮れてしまいます。

多くの謎を残して事件が終わってしまったからこそ、その余韻はどこまでも響き、事件が終わったあとの登場人物たちや町に思いを馳せずにはいられません。

人によっては「胸糞」と評しているものの、映画が好きだというなら絶対に一度は見るべき作品です。

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「セブン」の感想

文句なしの傑作です。

1つのモチーフになぞらえて繰り返される殺人事件と犯人を追いかける刑事たち……という古典的なシチュエーションでありながらも、余分なものがありません。

見ているうちに映画に引き込まれ、気がつくと陰鬱な世界に心を任せています。

それは「セブン」の見どころである映像や演出だけでなく、ブラット・ピットやモーガン・フリーマンといった俳優さんたちのおかげでもありましょう。

見どころでは触れませんでしたが、日常的な仕草でありながらも目を引かずにはいられない登場人物たちの言動はまさに名優たちだからこそ成り立ったものだと思います。

特にジョン・ドゥ役のケヴィン・スペイシーさんが急に熱弁をふるうシーン、そしてクライマックスのミルズの葛藤を演じてみせたブラット・ピットさんの好演は印象深いです。

ところで「セブン」では被害者が殺害されるシーンはなく、死体も明確に描写されません……が、登場人物による状況の説明や映像だけでもグロテスクなので子供と一緒に見るのはお勧めしません。

またホラーやサスペンス、グロいのが苦手な人と見る時はいっそネタバレをしてから見ることをおすすめします。

あと1つ付け加えるなら…この映画は雨の日に見てください。寒さを感じる、秋の夜の雨なら尚「セブン」らしくていいですよ。

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