日本では馴染みがなかったものの、年々親しまれるようになったハロウィン。
「ハッピー・ハロウィン!」なんてかけ声を耳にするだけで、何だかワクワクしますよね?
日本の行事に当てはめるならお盆のようなイベントですが、10月31日が近づけば近づくほど色んなお店でお化けや吸血鬼といったモンスターたちが描かれたパッケージの商品が並びます。
それはお菓子だけでなく、ファッションやコスメも同様です。
いわゆる限定品というわけですが、この度2021年、「発色がいいから気分がアガる!」と評判なアメリカのコスメブランド「Colourpop(カラーポップ)」はハロウィン感満載のコスメを販売します。
その名も「Coven Crew Collection(コヴェン クルー コレクション)」。
ハロウィン特有のパープルとオレンジをメインにしたパッケージには3人の魔女たちが描かれており、なおかつ「Colourpop」初のキャンドルも販売することが決まりました(アメリカの現地時間10月3日より発売開始です!)
そんな「Coven Crew Collection」はある映画……もとい映画「ホーカスポーカス」とコラボした商品ですが、あなたはその「ホーカスポーカス」をご存知ですか?
「知らない」というなら、なんてもったいない!
「ホーカスポーカス」を知らない、それは「楽しいハロウィンを知らない」といっても過言ではありませんよ!
「ホーカスポーカス」のあらすじ
作品タイトル | ホーカスポーカス |
放映時期 | 1993年(アメリカ) 1994年(日本) |
主な出演者 | ベット・ミドラー キャシー・ナジミー サラ・ジェシカ・パーカー オムリ・カッツ サーラ・バーチー |
――ハロウィンの夜、復活した魔女三姉妹が空を飛ぶ!(なお朝日を浴びたら消滅する)
時は1693年、舞台はマサチューセッツ州のセイラム。
セイラム郊外の森には魔女三姉妹ならぬサンダーソン三姉妹、魔女ウィニー・メアリー・サラが暮らしており、村人たちは戦々恐々しながらも生活していた。
ところが村の少年サッカリー・ビンクスの妹エミリーが魔女サラに連れ去られてしまう!
ビンクスはエミリーを救い出そうと魔女たちの家にたどり着き、忍び込むものの、奮闘むなしく、セミリーは魔女三姉妹に精気を吸われて死んでしまった。
エミリーの精気を吸い、老婆から年配の女性にまで若返ったウィニー・メアリー・サラ。
思ったよりも若くならなかったものの、「これから他の子供たちを攫ってどんどん精気を吸おう」と意気込む。
それを見聞きしたビンクスは憎まれ口を叩くが、そのせいでサンダーソン三姉妹の怒りを買い、黒猫に変えられてしまう。
大笑いするウィニーたち。
直後ウィニーたちの所業に起こった村人たちが強襲し、三姉妹は抵抗する間もなく、縛り首に。
そのままジ・エンド……になるかと思いきや、長女ウィニーが愛用している魔法の本が勝手に開き、あるページで止まった。
そのページを読んだウィニーは目を輝かせる。
「私たちはいつかハロウィンの夜、バージンが黒い炎のロウソクに火を灯すことで蘇る!」。
その時は町中の子供たちを襲ってやる、とウィニーが叫び、それを喜ぶように笑うメアリーとサラ……それが彼女たちの最期だった。
首を吊るされてようやく静かになったウィニーたちの亡骸を残し、その場を立ち去る村人たち。
そのなかにはビンクスの父親もいたが、足元にすりよる黒猫が息子だとは気付けるはずもなく、邪険に追い払うだけであったーー。
それから300年後の月日が流れた。
自然が多かったセイラムもすっかり整備され、現代の街並みになっている
そんなセイラムに引っ越してきた少年マックスはハロウィンの日、お転婆な妹ダニーとともに近所を歩き回っていた。
ハロウィン恒例のお菓子集めに付き合わされるのだが、マックスの気分は憂鬱だった。
妹に付き合わされるのもそうだが、魔女の伝承を信じているセイラムの人々やいじめてくる同級生にうんざりしていたのだ。
そんなマックスだったが、ある豪邸にたどり着くと上機嫌になる。
その豪邸は気になる同級生アリソンの家で、気分が浮かれたことや背伸びしたい年頃もあってアリソンを「魔女の家に探検しないか?」と誘う。
魔女の家、すなわちウィニーたちの家は郊外に佇む小さな博物館に様変わりしていた。
なし崩しでダニーも連れ、閉館した魔女の家に忍び込んだマックス・アリソン・ダニー。
それぞれ展示されている不思議な物品に見ていくも、マックスはある物を目にして立ち止まる。
それはセイラムで語り継がれている、黒い炎のロウソクだった。
「そんなの、ただの迷信だ」。
そう言ってマックスはロウソクに火を灯す……とたんロウソクの火は黒くなり、どこからともなく高笑いが響き渡る。
そして勢いよく開け放たれる玄関に立っていたのは、ウィニー・メアリー・サラ!
魔法の本の予言通り、復活を果たした三姉妹たちは喜びを噛み締めながらも我が家を見分していく。
とっさにマックスたちは物陰に隠れるものの、運悪くダニーだけが見つかってしまい、精気を吸われそうになる。
そのピンチを隠れていたマックスたちともう1匹、300年もの間魔女たちが復活しないように見張っていた黒猫ビンクスが救い、なんとか逃走に成功。
一方、まんまとダニーを逃げしてしまったウィニーたちは青ざめていた。
実はウィニーたちの復活は条件が設けられており、それは「ハロウィンの夜の間に子供の精気を吸わなくては、日の出とともに消滅する」というものだった。
おまけにその精気を吸えるようにする魔法の薬のレシピを記した、ウィニーの魔法の本もどさくさに紛れて奪われてしまう。
自分たちの復活を確固たるものにするため、ウィニーは慌ててマックスたちを追いかけるのだがーー。
「ホーカスポーカス」の見どころ
映画「ホーカスポーカス」の見どころは、
- シンプルで分かりやすい、魅力的なキャラクター
- 95分という時間におさまるテンポの良さ
- ベット・ミドラーの「I Put A Spell On You(あたしはあんたに魔法をかけた)」
が挙げられます。
シンプルで分かりやすい、魅力的なキャラクター
映画「ホーカスポーカス」といったら、やはりウィニー・メアリー・サラの魔女三姉妹が外せません。
サタンから与えられたという魔法の本の所有者であり筋金入りの魔女であるものの、色んなものがちょっと抜けている長女ウィニー。
食べ物が大好きで、子供のにおいをかぎ取って見つけられるほどに嗅覚が鋭いものの、憎めないところがある次女メアリー。
三姉妹のなかでも美女で、子供を攫うことを得意としている反面、あんまり頭がよろしくない三女サラ。
こんなにも個性的であれば言い合いをしがちですが、そこは姉妹というべきでしょうか。ウィニーが長女としてのリーダーシップを発揮して妹たちを引っ張っていく様は恐ろしい魔女だと分かっているのに毒気が抜けてしまい、「なんだかんだ言って仲が良いんだなぁ」と笑ってしまいます。
対するマックスたちはごくごく普通の、他の子たちよりも純粋な少年少女たちです。
けれどそれが「見ているこちら側と同じ一般人」であるというアピールとなり、「マックスたちはどう逃げるんだろう?」とハラハラさせてくれます。
だからこそ魔女たちが持っていない現代(作中では90年代ですが)のアレコレを武器にして魔女たちを騙すシーンは爽快です。
もっともそれはウィニーたち魔女も同じです。
それぞれの陣営の特徴は時にメリットに、時にデメリットになり、それがキャラクターの性格も相まって「なるほど!こう来たか!」と目から鱗が落ちる気分にさせてくれます。
95分という時間におさまるテンポの良さ
映画「ホーカスポーカス」の上映時間は95分となっています。
映画にしては比較的短めなほうですが、映画は時間なんて気にする暇を与えないほど濃厚かつハイテンポです。
冒頭にてウィニーたちとビンクスの経緯が終わると、今度はマックスたちの状況が描かれていき、間もなく対面した両者はストーリーの要である魔法の本の争奪戦兼追いかけっこを始めます。
その追いかけっこには無駄がなく、かといって面白さを忘れておらず、見ていて小気味いいです。
とはいえただリズムが良いだけでなく、ゆったりとしたシーンを設けているのも上手いと思います。
例えばマックスたちが「魔女を撃退した」と勘違いして家で休んだり、魔法の本の奪還を諦めて自力で薬のレシピを思い出そうと魔女たちが奮闘したりなどそれぞれの理由によって追いかけっこを一旦中断するシーンが差し込まれますが、そのタイミングは絶妙です。
でもこのテンポの良さは制作会社を思えば、至極当然かもしれません。
映画「ホーカスポーカス」の制作会社はなんとあのウォルト・ディズニー・ピクチャーズなんです!
ディズニー映画には「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ホーンデットマンション」など名作ばかりがそろっていますが、その名作に並ぶ面白さがハイテンポも含めて「ホーカスポーカス」には詰め込まれています。
ベット・ミドラーの「I Put A Spell On You(あたしはあんたに魔法をかけた)」
作中マックスは両親に助けを求め、アリソンたちとともに大人たちがダンスをしている会場に向かいます。
そこにウィニーたちもやってきますが、皆、ハロウィンのジョークだと思ってまともに取り合ってくれません。
その隙にウィニーは大人たちに呪いをかけるのですが、この時ウィニーを演じるベット・ミドラーが呪いとともに歌い上げたのが「I Put A Spell On You(あたしはあんたに魔法をかけた)」。
まるでウィニーが即興で歌ったようにも見えるミュージカルなシーンですが、実は「I Put A Spell On You」は数々の歌手たちがカバーしてきた名曲です。
YouTubeなど動画サイトで曲名を入力すれば分かりますが、カバー曲はどれも落ち着きがあります。
しかしベット・ミドラーもといウィニーが歌う「I Put A Spell On You」は真逆で、ずばりロック!
聞いているだけでダンスをしたくなってくるような曲調はパンクやメタルというよりも、オルタナティブ(だと思います……)なのでとても聞きやすく、ベット・ミドラーの歌声を損なわせていません。
キャシー・ナジミーとサラ・ジェシカ・パーカー扮するメアリーとサラもステージに立って「I Put A Spell On You」に合いの手を入れていますが、3人ともとてもノリノリで、本当は恐ろしいはずのシーンなのに聞き惚れてしまいました。
「ホーカスポーカス」の感想
「大好き!楽しいから、おススメするよ!」と胸を張れる映画です。
子供向けではあるものの、いわゆる「大人も楽しめる子供向け」であるため、大人が一緒に見ても苦ではありません。
それに伝統的なハロウィンの様子や魔女の特性など丁寧に描かれているため、「ハロウィンってなぁに?魔女ってなぁに?」と思っている子供のテキストにも、ちょうど良い作品となっていると思います。
(現に当方はこの作品で「トリック・オア・トリート!」を知りました!)
「ファンタジーホラー映画」と称されていますが、ファンタジー5割・コメディ4割・ホラー1割といった具合なので全く怖くありません(それでもヒヤリとさせられるシーンがありますが……)。
とにかく一度見たら最後、ハロウィンが近づく度に「見たい!」と思いたくなりますよ!
ディズニー・ヴィランズのようなキャラが好きなら尚更です!
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